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住宅ローンはこう選ぶ

有利な住宅ローンかどうかは、3つの観点から判断するとよいでしょう。「金利」の高低、金利の「タイプ」、「返済方法」の3点です。このほかに、ローンを借りるときにかかる税金や保険料などの「諸費用」が、どれだけ必要になるかということがあります。それぞれのポイントを見ていくことにしましょう。

■わずかな金利差が大きな差額に

住宅ローンの金利は、わずかな違いでも大きな差額となって表れます。 図表1は1,000万円を借り入れたときの毎月返済額を試算したもの。ご覧のように1%違うだけも毎月返済額は数千円の差となり、トータルでは百万円単位の差となります。さらに借入金が2倍になれば、同様に返済額も2倍にハネ上がってしまいます。 また、表面金利は同じでも、その金利に保証料などを含んでいる場合と含んでいない場合があるので、金利の内容を金融機関にしっかり確認しましょう。

図表1 金利の違いで返済負担はこんなに異なる

(借入金1,000万円、返済期間25年の場合)
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■金利のタイプを把握する

<固定金利と変動金利の違い>

住宅ローンの金利タイプは、大きく分けて「固定金利型」と「変動金利型」の2種類があります。

固定金利型は、借入時に取り決めた金利が返済完了まで変わりません。対して変動金利型とは、返済途中であっても経済情勢などによって変わるというものです。 安定した返済計画を求めるなら固定金利型を選ぶとよいでしょう。
ただし、金利水準が低いときに借りれば得ですが、高いときに借りてしまうとずっと高い利息を払い続けなければならず、借りるタイミング次第では損になることがあります。借入時の金利水準が高いか低いかを見極める必要があるのです。

その意味では、変動金利型は金利水準が高いときに借りても将来下がる可能性があるため、トータルで見ると借りるタイミングに伴う損得に対して、それほど神経質にならなくてもよいというメリットがあります。
ただ、金利が低いときに目一杯借りてしまうと、金利が上がったときに返済負担の重さに窮してしまうので、ある程度余裕を持たせておくことが大切です。
また、多くの変動金利型の住宅ローンは、金利が変わっても即座に返済額が変わらない方式が導入されています。通常は5年に一度返済額を見直し、その間に生じた金利変動による利息の過不足を次の5年間で調整することになっています。
ただし、金利上昇によって返済額が急増する場合は、前5年間の25%を上限とし、これを超える分は次の5年間で調整することにしています。この措置によって返済額が急激に増えることはなくなりますが、金利上昇があまり大きいと利息が多くなり、借入金残高がほとんど減らないということが発生します。

<固定金利選択型の仕組み>

変動金利型のなかには、借り入れ当初の2年間、3年間、5年間、7年間、10年間というように一定期間の金利が固定されているタイプの住宅ローンもあり、一般に「固定金利選択型」や「固定期間選択型」と呼称されています。
このタイプは固定期間が過ぎた時点で金利が改定されるので、仮に5年間固定型のものを25年返済で借りた場合、通常は5年後、10年後、15年後、20年後と4回の金利改定が行われます。
この固定金利選択型には大きく2つの種類があるので、借入時にはどのような内容になっているのかを慎重に検討する必要があります。

まず、「変動金利優先タイプ」は、金利改定時(選択時)に変動金利型と固定金利選択型のいずれかを選べるというもの。ただし、選択時変動金利型を選ぶとそのまま変動金利型が適用され、固定金利選択型に戻ることはできません。
一方、「自由選択タイプ」は金利改定時(選択時)に変動金利型と固定期間選択型のいずれかを選ぶのは前者と同じですが、変動金利型を選んでも再び固定金利選択型に戻ることができるというものです。それだけ柔軟性があるタイプといえますが、返済途中でローンを繰り上げ返済するなどローン契約を解消したり契約内容を変更したときに、3万円~5万円程度の手数料を支払わなければならない場合があるので、借入時には契約内容をしっかり確認するようにしてください。

<どのタイプを選べばよいのか>

さて、ここまで紹介してきた各タイプのなかでどれが有利かは、そのときどきの金融情勢やあなたの条件などによって異なります。

まず、各タイプのなかで最も金利が低いのは一般的に固定金利選択型の1年~3年もので、次いで変動金利型の順となり、あとは固定期間が長いものほど高くなる傾向にあります。
したがって、短期間のうちに買い換える予定がある人や短い返済期間で返すという人は、金利の低さに注目して1年~3年ものの固定金利選択型を選ぶとよいといえます。
一方、長期返済を考えている人は、現状の金融情勢をしっかり考慮する必要があります。
いまの金利水準が高く、将来下がる可能性があると思えば変動金利型、反対にいまが最低水準にあると思えば長期間金利が固定されているものを選ぶとよいでしょう。

■ローン負担を軽くする返済方法

代表的な住宅ローンの返済方式として、「元利均等返済」と「元金均等返済」の2つがあります。

<元利均等方式>

図表2は元利均等返済の仕組みを図解したものです。
特徴は毎回の返済額を一定(均等)にしている点にあります。 金利が変わらない限り、毎回の返済額が同じなので返済計画が立てやすいというメリットがあります。
ただ、返済額の中身を見ると返済当初は利息分が多く、元金分はわずかなため、返済が進んでも借入金残高がなかなか減っていかないというデメリットがあります。

<元金均等返済>

対して元金均等返済は、元金返済分を一定にするというもの(図表3)。返済当初の返済額は多くなりますが、返済が進むにしたがって負担が軽くなっていくという特徴があります。
また、元金を着実に返していくので借入金残高が早く減り、返済総額も少なくなるというメリットがあります。
hensaihoushiki元利均等返済と元金均等返済を比べてどちらを選ぶかは、将来も含めた収入の状況や家計支出などによって異なりますが、「将来に負担を残さない」というローンを借りるときのセオリーからすると、元金均等返済が堅実といえます。 ただ、金融機関によっては元金均等返済を導入していないケースもあるので、借入時に確認するようにしてください。